(株)DDホールディングス【3073】
多くのブランドを手掛け、メディアにも頻繁に出てくるお店が多いです。食事の味を楽しむだけでなく、食事の空間も提供しています。
以前は世界一のエンターテイメント企業グループがキャッチコピーでしたが、現在はオープンイノベーション企業を目指すと公言しています。
どんな会社?
ダイヤモンドダイニング・バグース・ゼットン・商業藝術・エスエルディー等の飲食店やバーを運営しています。(ゼットンは2022年にアダストリアのTOBにより、グループから外れています。)
その他にもウェディング事業やカプセルホテル等も行っており、非常に多彩です。開発力は目を見張るものがあり、2010年時点で100店舗100業態を達成しました。一つの成功した店舗を各エリアに広げるのが普通の経営手法でしょうが、DDホールディングスは広げたとしても数えられるほどしか展開していませんので、この取り組みは本当に素晴らしいの一言です。
既存の店舗より新しい店舗を次から次へと開発し、色々な楽しみをお客さんに提供しています。更に食事で笑うという意識も抱いています。味を追求すると謳わず「笑う」です。どうすればお客さんが喜ぶのか?を研究し実践している企業なのは店舗に足を運んでみると自ずと分かるかと思います。
味で楽しむ。目でも楽しむ。私が保有し始めたのは2013年頃ですが、エンターテイメント企業と名乗っていても看板に偽りなし、と思っていました。
2020年現在はオープンイノベーションと名乗っていますが、これもまた偽りはないと感じます。
ダイヤモンドダイニング
当初の商号はDDホールディングスではなく、ダイヤモンドダイニングでした。
M&Aを活発に行い徐々にホールディングス化へと移行しています。多くの企業がホールディングスへ舵を切り出したので時代の流れですね。
ダイヤモンドダイニングの略称としてDDが生まれた訳ですが、令和の新時代ではDynamic & Dramatic(ダイナミック アンド ドラマティック)を掲げています。開発力がある企業が名乗ると納得のいくフレーズです。さて、それではどのような飲食店があるのでしょうか?
一つ挙げますとわらやき屋があります。
料理の味はもちろん美味しく、素材の良さはしっかりと感じられました。
更に藁焼きのパフォーマンスも見ることができます。厨房がガラス張りになっているので藁から一気に炎が舞い上がるのは圧巻です。目でも楽しませ、食で笑う。コンセプトはお見事です。
ダイヤモンドダイニングだけで40ブランドが運営されています。店舗ではなくブランドです。各々の個性を大切にする姿勢は素晴らしいです。そしてその他のブランドでは、どのような楽しさがあるのか見たくなるのは必至でしょう。
バグース
2011年に完全子会社化された会社です。商号はインドネシアの言葉で「最高」という意味だそうです。
ダーツやビリヤードが楽しめる店舗で、オシャレなバーとしても運営されています。お酒を嗜む方であれば二次会で使用される方も多いかもしれませんね。
また、グランサイバーカフェという名称でインターネットカフェも運営されていますが、主な展開先が東京エリアとなっていますので利用できる方は限られてしまいます。
私はランチブッフェをよく利用し、広場のブース等でバイキングも積極的に提供してくれていますので、お酒が飲めない方でもバグースは楽しめます。
ゼットン(旧)
2016年に持分法適用会社になり翌年2017年に連結子会社化しましたが、上述したとおり2022年にアダストリア社のTOBにより、子会社から外れています。
お店としては、ハワイでの飲食店経営も担っている経験からALOHA(アロハ)というお店を多く展開しています。ランチのロコモコは安定の美味しさです。その他に、神南軒などのオシャレな飲食店も運営しておりドラマ等の撮影にも使われるほどの内装で、食事の味も満足いく美味しさでした。
商業藝術
2017年に完全子会社化しています。
商号に藝術という文言が入っているようにあなたを上映する。といったキャッチコピーが印象的です。毎日の一瞬が積み重なり、人生という映画が繰り広げられる。
食事の時も、ブライダルの時も共に創っていこう。ということらしいです。
飲食店を見ていきますと、chano-ma・24/7・石堀小路豆ちゃ等を営業しています。
子会社化によって株主優待の幅が広がったのは非常にありがたく恩恵を得ています。
エスエルディー
2019年に完全子会社化しています。主なブランドは瓦kawaraカフェで、音楽・アート・食のカルチャーコンテンツを企画・融合させる事業を行っています。
2017年・2018年に大幅な赤字を計上し、このまま経営が出来るのか懸念ではありましたがDDホールディングスが買収に動きました。
会社名 | 売上高 | 売上原価 | 原価率 |
---|---|---|---|
DDホールディングス | 450億円 | 105億円 | 23% |
エルエスディー | 50億円 | 46億円 | 92% |
買収当時の2018年頃の決算情報ですが、原価率は上表のとおりでした。
通常の飲食店の原価率は20%~30%でないと経営的にやっていけませんが、エルエスディーは90%を超えています。これでは、どう考えても会社が傾くことは火を見るよりも明らかです。
エスエルディーのコンセプトはDDホールディングスにも合っているでしょうし、kawara CAFE&DININGのクオリティも中々の物ですから目の付け所は見事だと思います。そして、2019年に早々に黒字化し2020年も黒字決算で終えています。
食材の流通コストや各店舗のシステムのノウハウをDDホールディングスから享受できているのは大きいかと思います。また、人材面も研修を一括管理しているためコストの削減および、接客クオリティが全店舗で高められるのも一つの要因でしょう。
株式情報
本社は東京都港区に位置し、決算月は2月です。展開ブランドが多く、会社の列挙が長くなってしまいましたが、株主優待は傘下グループで使用できるお食事券が頂けます。
配当金も出ていますので、それぞれを見ていきましょう。
株主優待
権利確定月:2月 年1回
保有数 | 株主優待 |
---|---|
100株 | ¥6,000 |
600株 | ¥12,000 |
1,200株 | ¥24,000 |
6,000株 | ¥36,000 |
12,000株 | ¥48,000 |
上表の金額分のお食事券が贈呈されます。以前までは自社システムが稼働しており、DDポイントという形も選択できましたが、システム費用削減のためか、紙媒体のお食事券のみとなりました。
30,000円分のお食事券ですが、5,000円のディナーを2名で行くと
3回で終わってしまいます。
株式分割を繰り返していただけたので、私の24,000円分と妻の6,000円分の合計30,000円が毎年頂いています。ただ、コロナ過もあり店舗数は減ってしまい、そもそも居酒屋に行こうという気があまりおきませんね・・・。
テイクアウトをするにしても生活圏(徒歩・自転車圏内)に店舗があまりないので、今回は利用に四苦八苦しそうです。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥581 | 2022年9月時点 |
100株 | ¥58,100 | |
株主優待 | ¥6,000 | |
配当金 | ¥0 | |
利回り | 10.33% |
100株の利回りが非常に高くオススメです。例年の配当性向は12%~17%(大体1株10円以上)あたりなのですが、業績不振のため無配に転落しています。
株価は一時期3,000円目前まで目指していましたが、そこからは下降トレンドのままで、現在は500円台を推移している状況です。このあたりが底のように感じますが、反転する気配が見通せないため、株価上昇のタイミングを見極めるのが難しめです。
株主優待の拡充
業績が好調だった頃は株式分割が度々行われ、新規参入も容易く多くの株主が保有しやすい環境が整っていました。
年 | 内容 |
---|---|
2014年 | 株主優待額面を20%上昇 |
2015年 | 株式分割1:3で実施。 |
100株の優待を新設。 | |
更に株主優待額面を約33%上昇 | |
2017年 | 株主優待額面を50%上昇 |
2019年 | 株式分割1:2で実施 |
私が保有を始めたのが2013年からですので、2014年以降の推移が上表のとおりです。
2013年の時は100株で5,000円、200株で10,000円でしたので200株を保有しました。
そのため、200株→600株→1,200株と順調に増え続けて、永久ホールドの予定です。
飲食店も非常に魅力的ですし、株主優待も100株での利回りは高いのでオススメできる銘柄です。
お食事体験記
数えきれない程のブランドを展開しているので、全ての店舗を回ることは難しいですが、これまでお食事をさせていただいたDDホールディングスの店舗をご紹介します。
GLASS DANCE
70種類以上のビールがメニューに並ぶオシャレなバーです。
店内はオープンスタイルで、ビール瓶で作られたシャンデリアは見物です。
kawara CAFE&DINING
株式会社エスエルディーが運営している代表ブランドkawara CAFE&DINING
ランチで利用することが多いですが、リーズナブルでボリュームもたっぷりです。
ニホンバシイチノイチノイチ
株式会社ゼットンが運営しているニホンバシイチノイチノイチ。
以前はランチのコース料理がありましたが、現在は御膳メニューに変わってしまったようです。住所は日本橋1丁目1番地1号と一等地に構えている店舗なだけあって、料理の質は非常に高いです。
さかえや
水炊き専門店のさかえや。
首都圏に4店舗とレアお店ですが、美味しさは折り紙付きです。100羽の鶏を煮込んだ鶏ガラスープの水炊きを一度はご賞味ください。
アロハテーブル
ハワイの食と文化を発信するアロハテーブル。ローカルフード仕込みのメニューも魅力的です。
王道のロコモコ丼も良いですが、一度に色々な味を楽しめるミックスプレートもオススメです。
神南軒
渋谷の真ん中に構えている神南軒。ビルの屋上と吹き抜け空間が魅力の内装でしたが、レストラン営業は2020年9月30日をもって終了しています。
酷評になりますが、料理の質は正直低く感じ、内装もお粗末に感じました。
豆ちゃ
おばんざいを提供する豆ちゃです。内装も和の雰囲気で落ち着いてお食事ができます。
メニューも身体に優しく、ホッと心を満たしてくれる料理を頂けます。
美食米門
美食のシンフォニーを奏でると謳っている美食米門ですが、ランチで頂いたコース料理は微妙の一言です。
chano-ma
株式会社 商業芸術が運営していた会社で、現在はダイヤモンドダイニングに吸収されています。足をゆったりと伸ばせるお座敷タイプもあり、心地良い内装とホッとする料理が提供されます。