(株)きちりホールディングス【3082】
適時開示情報で、株主優待の拡充が発表されました。とはいえ、2021年に改悪したものが内容が少し変わり戻った程度です。
株主優待
2022年11月11日付の適時開示情報により、株主優待の内容が変更となりました。2022年に実施された株主優待は30%割引券からお食事券に戻ってくれました。
変更後
権利確定月:6月 12月 年2回
保有数 | 株主優待 | 枚数 |
---|---|---|
100株 | ¥1,500 | 1枚 |
500株 | ¥9,000 | 6枚 |
1,000株 | ¥19,500 | 13枚 |
以前までは、12月権利のみでしたが、2022年12月期以降より、6月・12月の年2回に変更し、1,000株の区分も追加されています。
100株保有であれば年間2枚の3,000円が贈呈されます。1,000株になると39,000円と大盤振る舞いな株主優待に大変貌を遂げています。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥309 | 2022年11月時点 |
100株 | ¥30,900 | |
株主優待 | ¥3,000 | |
配当金 | ¥500 | |
利回り | 11.33% |
株主優待拡充の発表前の株価ですが、総利回りは驚異の11%超と高還元銘柄です1,000株にした場合は14%超の利回りになりますので、わずか6年少々で恩株の誕生です。
ただ、PTS市場は大幅に上昇しており、389円の値で取引成立しています。そのため月曜日はSTOP高になる可能性が高いです。それでも株主優待を改悪する前の株価は600円でしたので、それに比べればまだまだ割安感があります。
なお、使用制限等の情報は出てきておらず、以前のお食事券の時は「金曜日・土曜日・祝前日・12月中は全て使用不可」となっていました。ここにお会計1回に1枚まで。というのが付与されないことを祈るばかりです。
変更前
保有数 | 株主優待 | 枚数 |
---|---|---|
100株 | 30%割引券 | 2枚 |
500株 | 30%割引券 | 4枚 |
上表は変更前の株主優待で、お会計の30%割引券です。(割引上限は10,000円まで)
この改悪が起こる前は、下表の区分でお食事券が頂けていました。
保有数 | 株主優待 | 枚数 |
---|---|---|
100株 | 3,000円 | 1枚 |
500株 | 3,000円 | 3枚 |
高利回りになるのは100株で、3,000円分のお食事を楽しめましたが、割引券となると使い勝手が格段に悪くなります。しかし、2021年11月8日付のきちりのIRでは3,000円のお食事券から10,000円分までの割引券になり、金額が大幅に上昇することから「株主様優待制度の一部変更(拡充)のお知らせ」として公表されていました。
もちろん、多くの個人投資家は失望したのは言うまでもなく、当時の株価660円から460円まで急転直下し、その後も大暴落を続けて、2022年11月11日時点では半値以下の300円まで落ち込みました。そこからわずか1年で元に戻すに至ったのは、株主優待による個人投資家の影響力の高さでしょうか。
不信感は残るまま
このすぐに戻すというのは、言ってしまえば先見の明が無かったということです。市場動向がどのように動いていくのか、シミュレーション機能がおざなりとも言えます。今回の株主優待拡充により株価は反転して上昇傾向に向かうと思われますが、一度失ってしまった信頼はどの程度まで回復するかは不透明です。
コロコロ変わる株主優待は安心感がありませんし、また割引券に改悪されるのでは?という不信感は残ってしまいます。このような動きをするのであれば「損をして得を取れ」で30%割引券にすべきではありませんでしたね・・・。
さて、株式市場の動きは見誤りましたが、営業に対する先見の明はどのようなものになるでしょう。売上高は戻りつつあり、営業利益も黒字に転じる見込で、最終利益は黒字で着地を予想しています。こちらの業績予想は機能していることを願うばかりです。