(株)アウトソーシング【2427】
社名のとおり、人材派遣を行っている会社です。海外事業も視野に入れて拡大中ですが、新型コロナウイルスの影響で事業は停止状態です。
どんな会社?
1997年に生産工程の業務請負事業を主として設立した人材派遣会社で社名がそのままの事業となっています。
多くの企業にとって人件費は支出の大きな割合を占めており、人を雇うと固定費(人件費・社会保険費など)が増大します。簡単にリストラするのも難しい時代です。
固定費コントロール
アウトソーシング社は必要な時に必要な人材が欲しいというニーズを応えるために人材派遣サービスを行い急成長を遂げてきました。
派遣といっても受付事務・経理等の一般事務ではなく技術者派遣で工場の工程管理や知識を授ける人材を豊富に抱えているのが特徴です。
どうすれば効率化が可能なのか?どこに手を加えれば円滑に事業が進むのか?といった情報や助言は多くの企業で欲しい知識ですから、今後も重宝される部類かと思います。
景気変動リスク
ただ、企業が継続性を維持できれば。ですので今回のように全世界で感染症が発生した場合に派遣の雇止め・更新切りが多発するのは目に見えています。
必要な時に必要な人材。という利点が大不況時には大きなデメリットになります。
特に今回のケースは工場が閉鎖・経済活動の全面停止まで求められるほどなのでアウトソーシング社の大打撃は凄まじいものがあります。
株価を見れば一目瞭然なのですが、直近1年間での高値は1,500円で新型コロナの影響で400円台まで落ち込んでいます。
大暴落を経て数週間が経過していますが、企業の中にはV字回復を遂げているところもあります。社会に必須の大手インフラ系は特に強い傾向です。
その点、人材派遣は現時点で必須の事業か?と問われると難しく、株価は全く反発せず400円台のままです。
市場の中では今が1番底である。と評価されていますが、そのまま上昇するのか、2番底に向かうのかは様々な方が分析していますが先は誰にもわかりませんね。
株価は非常に割安圏に入っていますが、投資判断は難しいと思います。
株式情報
株主優待はクオカードです。配当金も過去の段階では出る予想ですが続々と無配にしている企業もありますので注視する必要があります。
現段階で分かる範囲の情報ですが、見ていきましょう。
株主優待
権利確定月:12月 年1回
保有数 | 株主優待 |
---|---|
100株 | ¥1,000 |
500株 | ¥2,000 |
5,000株 | ¥3,000 |
25,000株 | ¥4,000 |
株主優待目当てで保有するの場合は100株のみを選択される方がほとんどでしょう。
5,000株以上は株主優待より配当金・株価上昇を求めていますから、大口用の株主優待設定は謎ですね。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥470 | 2020年3月時点 |
100株 | ¥47,000 | |
株主優待 | ¥1,000 | |
配当金 | ¥2,700 | |
利回り | 7.87% |
2020年の上半期は変動が激しすぎますので参考にならないかもしれません。
現時点での情報通りであれば、株主優待と配当金を合わせて総利回りは約8%と非常に魅力的な数値になっています。
2019年12月期 財務諸表
項目 | 金額 |
---|---|
売上高 | 447億円 |
経常利益 | 45億円 |
当期純利益 | 40億円 |
有価証券報告書に記載されている直近データは上表のとおりですが、2020年12月期にどれ程落ち込むのか今から考えても恐ろしいです。
ただ、アウトソーシングの労働力を派遣するのではなく、知識を派遣する業態は今後も必要とされるでしょうし、伸びていく分野だと思いますので末永く応援していきたいです。