独法職員の株主優待日記

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RIZAPグループ 2017年の大暴騰と2018年の大暴落を考察

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株主優待 RIZAPグループ 2018年の大暴落

RIZAPグループ(株)【2928】

年初来安値を更新し続けるRIZAPグループが市場を賑わしています。

2018年の始値は1,039円で、2018年10月下旬には500円を割れました。

2017年10月1日および2018年8月1日を基準日で分割(1株を2株へ)していますので、それを勘案した株価で計算しています。

前身である健康コーポレーション

RIZAPグループの始まりは2003年に設立された健康コーポレーションです。

主力商品であるどろあわわ豆乳クッキーをはじめ美容・健康食品等の通信販売を行う会社でしたが、2010年に「結果にコミットする」をキャッチフレーズとするボディメイク部門のRIZAPが誕生します。

 

2018年10月までの株価を追う

株価の最高値は1,545円(2017年11月24日)まで上がりました。

なお、2017年1月4日時点では195円ですので1年間で約8倍も上昇したことになります。株価の大暴騰ぶりがお分かりでしょうか。

 

もう少し詳しく株価の推移を見ていきましょう。

2009年:6.9円

2010年:14.8円

2011年:11.6円

2012年:14.8円

2013年:27.4円

2014年:93.5円

2015年:176.8円

2016年:194.5円

2017年:1,044円

2018年:480円(2018年10月23日時点)

(参考:RIZAPグループ[2928] : 過去10年の株価 : 日経会社情報DIGITAL : 日経電子版

 

2018年以外は12月末日の株価になります。

やはり2017年の大暴騰振りが凄まじいですね。

参考までに2009年4月8日の1.2円が最安値ですので、一時期1,287倍まで上昇したことになります。

 

パズル&ドラゴンで有名なガンホーも一時期株式市場を大変賑わせましたが

2009年2月12日:9.8円

2013年5月14日:1,633円

166倍で、2018年10月23日時点の株価は211円です。

RIZAPグループの最安値が低すぎるので大きく見えてしまいますが、それでも異常なほどの爆上げです。

 

大暴騰したのはなぜか?

大暴騰の始まりは2017年7月頃からです。

その少し前の2017年2月にはジーンズメイトを子会社化し、同年3月にぱども子会社化し、同年6月に堀田丸正も子会社化しています。

また、同年6月24日の株主総会が開かれ、社長である瀬戸 武(せと たけし)の質疑応答・将来への展望等で多くの共感を得た人も多いことでしょう。

この社長が非常にお若い。1978年生まれなので、2018年時点では40歳です。

RIZAPグループ 瀬戸 武 株主総会

(参考:RIZAP GROUP 公式HPより

 

その内容を簡単に抜粋します。

1.「自己投資産業」がキーワードです。自分の肉体を鍛えたり、健康になること。

2.決算発表が非常に素晴い。さらに東証一部への申請も済んでいる(変更自体は事情により伸びている。)

3.RIZAPはダイエットのみならず、GOLF・クッキングも堅調な動きである。

4.大学・医療機関との連携も行っている。

5.行政との連携も(国民が健康になり医療費が減った場合のマージンが望めれば)

6.M&Aを行っても、信頼関係を崩さず共生している。

7.株主優待も毎年良くしていくことを約束する。

 

非常に前向きな回答が続き好感が高まったのは確かでしょう。

 

有価証券報告書の数字から見てみますと、注目すべきところはM&A特有の「のれん」でしょう。

国際基準のIFRSに切り替えを行っていますので、のれんの定額償却が不要となっています。更に報告書の24ページに負ののれんにより77億円の剰余金が増加していると記載されています。

(参考:RIZAP 有価証券報告書 2018年3月期

※PDF140ページ分あります。開くのであればパソコンからを推奨します。

 

2018年3月期の連結損益計算書(IFRS)を見てましょう。

売上収益:1,362億円

営業利益:135億円

税引前利益:120億円

当期純利益:107億円

 

そして、負ののれんによる利益が77億円です。

大部分が負ののれんです。好調な時は良いですが、ある種の時限爆弾ですから気を付けたいところです。

 

のれんとは

そもそも「のれん」ってなんだろう?という方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に説明いたします。

M&Aを行うということはある会社を購入することになります。

例えば、ジーンズメイトを買収した例を見てみましょう。

 

ジーンズメイトの純資産は約41億円で、RIZAPは約16億円を支払いジーンズメイトを子会社化しました(2018年3月期 70ページ参照)

しかし、100%保有するわけではありませんので、ジーンズメイトに帰属する部分も約9億円残っています。簡単に計算しますと

41億円-9億円=32億円

32億円-16億円=16億円なります。

32億円の価値があるものを16億円で購入できたわけですから、差額の16億円は利益として計上できます。これを負ののれんと言います。

 

逆に32億円に対して、50億円を支払ったとしましょう。

そうなると差額の18億円はのれんになり、損失として計算をしなければなりません。

 

目に見えない資産ですので、のれんがある場合には注意しなければなりません。

減価償却をしなくても良いのがIFRSなので、単年では数字が良く見えますが、もしもジーンズメイトが32億円の価値がないと判断された場合、一気に損失として計上しなければならなくなります。

その判断をすることを減損テストと言い、毎期行わなければなりません。

業績が上向き調子であれば減損する必要がありませんので良いですが、傾きだしたら一気に急降下する危険性があることを頭の中に入れておきましょう。

 

2018年の大暴落

それでは2018年の大暴落は投資家・機関の利益確定の動きと狼狽売りと思われます。

更に追い打ちをかけるのは第一四半期の大赤字です。

前年同期は21億円の黒字でしたが、2018年4月-6月は31億円の赤字です。

2019年3月期四半期決算短信を読みますと、将来に向けての先行投資を行ったから。と記述されています。

商品の仕入値も管理費・人件費が軒並み上昇しています。

前年同期の利益から-50億円もの差になるのは誰もが想定外だったことでしょう。

負ののれんがあるのに赤字というのも非常に怖いです。

 

また、RIZAPは株式分割も行っています。

分割のメリットは非常に多いのですが、株価を押し上げすぎる。といったデメリットもあります。

かのライブドアの「1:100」というとんでもない株式分割バブルもありましたね。

 

そういった心理の中から、株価は1/3まで下落していったと考えられます。

 

とネガティブな意見をつらつらと書きましたが、短信のとおり第一四半期の先行投資が第二四半期に生きてくる可能性も十分あります。

投資先としては、配当金も出ていますし株主優待の魅力も素晴らしいです。

そもそも2017年の始値は200円です。現時点では500円を下回っていますが、正常値になったと考えるか、まだまだ上昇を続け1,000円を超すと考えるかは中々難しいものですね。