(株)吉野家ホールディングス【9861】
株主優待族の方は、ほとんどの方が保有している銘柄の筆頭です。高知名度・株主優待の使い勝手・国民食と三拍子が揃った牛丼チェーンです。
どんな会社?
紹介するまでもなく、超有名企業。牛丼業界の老舗である「吉野家」です。国内では2位の位置におり、牛丼以外にも多くのブランド・グループを抱えています。
吉野家ホールディングス
名前の通り、吉野家を運営しています。
連結して、約半分の売上を占めているのが本家の牛丼、吉野家です。
国内の店舗は1,000店を超え、圧巻の数ですが驚くべきは海外です。
国内店舗:1,189
海外店舗:973
(出典:吉野家グループ店舗数一覧)
2022年3月時点の数字ですが、国内と海外の規模が拮抗しており海外事業の地盤を着々を固めているようです。
はなまる
うどんを提供しているはなまるうどんの知名度も抜群でしょう。
かけ小(150円+税)のコストパフォーマンスの高さから非常に人気のお店でしたが、昨今の社会情勢から値上げを余儀なくされました。2022年5月時点の価格は税込240円に改定されています。それでも業界トップクラスの安さには変わりがありません。
他にもカレーうどんの千吉というブランドもあります。
アークミール(旧)
焼肉を主体とした外食企業で、国内で約150店舗を3ブランドで展開しています。
1.ステーキのどん
2.VOLKS(フォルクス)
3.しゃぶしゃぶ どん亭
2019年までは吉野家グループとして営業を行っていましたが、赤字が続き吉野家グループの業績の足枷となってしまったことから、2020年に安楽亭へ売却しています。
焼肉店同士の相乗効果が望めることから立て直しを行っているところです。
なお、グループ企業から外れてしまったので、吉野家の株主優待はフォルクス等の店舗では使用できなくなりました。
京樽(旧)
京樽はテイクアウト専門で駅ビルの中に多く出店しています。テイクアウト以外にも回転寿司ブランドの海鮮三崎港・すし三崎丸・すし三崎港も展開しています。
今ではよく見かけるお店ですが、1997年に会社更生法適用を申請し、自力再建が出来ずに吉野家HDの傘下に入り立て直しを行っています。2005年にジャスダック上場を果たして復活を遂げ、2011年に吉野家HDの完全子会社に至りました。
しかし、コロナ過を筆頭に業績悪化が続いたことから2021年にスシローへ売却しています。相乗効果が望めることから同業態の企業が名乗りを上げています。
スシローが都心向けにテイクアウト専門「スシロー To Go」を展開しだしたのは、京樽のノウハウを上手く活用しているからでしょう。
なお、アークミールと同様に吉野家グループから外れてしまったので、吉野家の株主優待券は使用不可となっています。
株式情報
本社は東京都中央区に位置し、決算月は2月です。
株主優待は吉野家グループで使用できるお食事券で、店舗数も多く使い勝手は非常に高いです。配当金も出ていますので、それぞれを見ていきましょう。
株主優待
権利確定月:2月 8月 年2回
保有数 | 株主優待 |
---|---|
100株 | ¥2,000 |
200株 | ¥5,000 |
1,000株 | ¥6,000 |
2,000株 | ¥12,000 |
2022年2月権利確定分から株主優待の改定が行われました。
100株が3,000円から2,000円に減少しましたが、200株の5,000円が新設されました。1,000株以上の権利に至っては変更がありません。
金額のみで見ると改悪の部類に入るかもしれませんが、私としては200株保有で年間10,000円分のお食事券が頂けるようになったので拡充と感じています。
贈呈金額の変更に伴い、300円券×枚数から500円券×枚数の冊子に変更となっています。
使用可能店舗
事業の多角化を進め、事業の基盤を安定化を目指していた頃は、焼肉(アークミール)や寿司(京樽)などでも使用できましたが、逆に業績不振に陥ってしまいました。
2022年現在では、吉野家・はなまる・ウィズリンクの3社のみが利用可能です。
ウィズリンク(ラーメン屋さん)は広島県を中心に中国地方で展開しているので、東京都近辺に住まわれている方はあまり伺う機会はないかと思います。
利回り
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
1株 | ¥2,380 | 2022年5月時点 |
200株 | ¥476,000 | |
株主優待 | ¥10,000 | |
配当金 | ¥2,000 | |
利回り | 2.52% |
不採算店を売却したおかげか、株価は回復基調にありますが、伸び率は微々たるものです。この社会情勢を鑑みると大幅に下落していないだけ御の字かもしれません。
配当金は1株10円~20円のレンジ幅となっているので、高配当の部類でもなく、株主優待の金額も実質的に減額となってしまったので総利回りは約2.5%と低めの部類にあたります。
それでも、吉野家HDの株主優待の使い勝手は群を抜いていますので、多くの株主優待族の方は保有を続けて、今回の優待改定に伴って買い増しをされた方も多いと思います。
優待商品引換
吉野家はファミリー層をターゲットとした運営ではないので、あまり使う機会がないという、という方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は、牛丼等の商品と交換が可能です。
ラインナップは一つのみで、牛丼・焼鶏丼・豚丼・牛鍋丼・親子丼のレトルト食品13食分が頂けます。吉野家のレトルト牛丼は非常に評判高く、スーパーでも缶詰タイプの陳列をよく見かけるようになりました。
交換する場合は同封の封筒に未使用の優待券を入れて返送しなければならず、切手は自己負担になりますので、ご注意ください。
株主優待で交換商品を提供している会社の多くは返送費用は無料にしているところが基本ですが、吉野家に至っては株主数が桁違いに多いので経費のことを考えると止むを得ない対応なのでしょう。